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認知された子の国籍取得の届出(国籍法第3条第1項)

認知 日本国籍

 

認知された子の国籍取得の届出(国籍法第3条第1項)とは

外国人が日本国籍を取得する場合、通常は住所地を管轄する法務局に帰化許可申請をして許可を得る必要があります。しかしながら、日本人に出生後に認知された外国人は一定の要件を満たせば、届出をすることによって日本国籍を取得することができます。このページでは認知された子の国籍取得の届出(国籍法第3条第1項)について解説します。

国籍取得の届出の要件

国籍取得の届出によって日本国籍を取得するには一定の要件を満たす必要があります。どのような要件があるかについて下記におまとめしましたのでご参照ください。なお、下記の要件は全て満たしている必要があり、一つでも欠けていると国籍取得の届出はできないため、帰化許可申請が必要になります。

 

○国籍を取得しようとする者が・・・・

①父又は母に認知されていること

②18歳未満であること

③日本国民であったことがないこと

④出生したときに、認知をした父又は母が日本国民であったこと

⑤認知をした父又は母が、現に(死亡している場合には、死亡した時に)日本国民であること

 

上記5つが国籍取得の届出によって日本国籍を取得するための要件となります。それでは各要件について詳しく解説していきます。

 

①父又は母に認知されていること

これは申請人(国籍取得の届出によって日本国籍を取得する外国人。)が出生後に日本人の父又は母に認知されていることが必要です。ポイントは出生後という点です。出生前に認知(胎児認知)した場合は、原則出生と同時に日本国籍を取得しますので、国籍取得の届出は必要ありません。しかしながら出生後に日本人親に認知された場合は、認知と同時に日本国籍の取得はできません。この場合は母親の国籍のみ取得できます。そのため救済処置として国籍取得の届出の制度があり、通常の帰化許可申請に比べて簡易的に日本国籍を取得することができます。

②18歳未満であること

申請人が18歳未満、つまり未成年であることが必要です。成人している場合は帰化許可申請が必要になります。

③日本国民であったことがないこと

日本国籍を取得したことが一度もないことが必要です。一度でも日本国籍を取得したことがある場合は、通常の帰化許可申請が必要です。例えば、一度国籍取得の届出によって日本国籍を取得したが、何らかの理由で日本国籍を離脱したもの。また、出生と同時に日本国籍を有していたが何らかの理由で日本国籍を離脱したものがあげられます。

特に注意が必要なのは海外で日本人と外国人の間で出生したケースです。この場合の多くは国籍留保の制度を使用して一時的に二重国籍になるケースが多くあります。このケースで何らかの理由で日本国籍を離脱した場合、一度日本国籍を取得していますので国籍取得の届出による日本国籍の取得はできなくなります。

④出生したときに、認知をした父又は母が日本国民であったこと

これは当たり前ですが、出生時に両親が外国籍だった場合は外国籍のみ付与され、国籍取得の届出による日本国籍の取得はできません。出生後に親が帰化許可されて日本国籍を取得した場合でも、出生時には外国籍ですので対象外となります。

⑤認知をした父又は母が、現に(死亡している場合には、死亡した時に)日本国民であること

認知をした父又は母が、国籍取得の届出をする際に日本国籍を有していない場合は申請できません。認知後に日本国籍を離脱しているケースがあてはまります。

国籍取得の届出先

上記では国籍取得の届出によって日本国籍を取得するための要件を解説しました。つぎに要件を満たしている方の届出先について解説いたします。届出先は下記のいずれかになります。

住所地を管轄する法務局(日本に居住している場合)

日本に居住している方は、住所地を管轄する法務局での届出となります。事前に予約をして法務局に訪問をします。

住所地を管轄する日本国大使館(海外に居住している場合)

海外に居住している方は、住所地を管轄する日本国大使館での届出となります。

国籍取得の届出から日本国籍取得までの流れ

要件を満たした上で、法務局又は日本国大使館に届出をしてから日本国籍取得までの流れについて解説します。

住所地を管轄する法務局に予約の電話

事前予約なしで訪問しても届出はできません。必ず予約をしてから訪問をしてください。

必要書類を収集して法務局で申請

電話をした際に持参する書類を支持されます。訪問日までに書類を収集して必ず夫婦で法務局を訪問してください。申請人が15歳未満の場合は両親の訪問のみで足ります。

結果の通知

国籍取得の届出は、帰化許可申請とは異なり3カ月程度で審査結果が分かります。

法務局発行の書類を市役所に届出

国籍取得の届出が許可されると【帰化届】という書類を発行してもらえます。それを住所地を管轄する市役所に届出をして終了となります。

日本国籍取得の届出に必要な書類

国籍取得の届出に必要な書類を案内いたします。下記はあくまで一例ですので、確定的な書類は法務局にご確認ください。

 

○添付を要する書類

1 認知した父又は母の出生時からの戸籍及び除かれた戸籍の謄本又は全部事項証明書

 

2 国籍の取得をしようとする者の出生を証する書面

 

3 認知に至った経緯等を記載した父母の申述書

 

4 母が国籍の取得をしようとする者を懐胎した時期に係る父母の渡航履歴を証する書面

 

5 その他親子関係を認めるに足りる資料

なお、やむを得ない理由により、3及び4の書類を添付することができないときは、その理由を記載した書類を提出する必要があります。 また、認知の裁判が確定しているときは、3から5までの書類を添付する必要はありません。

 

6 その他法務局が定める資料

 

上記が必要書類ですが、実際の届出ではパスポートの写しやスナップ写真、認知届記載事項証明書が求められたケースがあります。一律で同じ取り扱いではないため注意が必要です。

 

終わりに

このページでは国籍取得の届出について解説をいたしました。国籍取得の届出は帰化許可申請と比べて提出書類が大幅に軽減され、審査期間も3カ月程度に短縮されています。

 

また、基本的には届出が受理されれば許可となります。届出の受理には必要書類全て集まっていることに加えて、申述書などの作成書類に不備がないことが必要です。特に、認知に至った経緯等を記載した父母の申述書は詳細に記載する必要がありますので、ご自身で届出をするのが不安な方や、確実に日本国籍を取得したい方は是非一度弊所にお問い合わせください。

 

よくある質問の一例

A :結婚できます。審査期間中に結婚をした場合は、結婚証明書又は戸籍謄本の提出が追加で必要になります。

A :審査期間中に交通違反をした場合、法務局への報告は必須です。必ず連絡するようにしましょう。

A :審査期間中は1度面談があります。審査期間中の面談は本人だけではなく配偶者も呼ばれるケースがほとんどです。

A :担当官が自宅に来ることはあります。自宅訪問の際は事前に日付を告げられます。基本的には生活の実態を見るだけですので、すぐに終わるケースが多いです。

A :勤務先の調査のほとんどは、電話での在籍確認と勤務先の所在確認です。そのため担当官が職場の中に入るようなことはほぼありません。

A :帰化が許可された場合、法務局から市役所に提出する書類が送られてきます。それをもって最寄りの市役所に行って手続きが必要です。

A :住所地を管轄する入国管理局に返却する必要があります。

A :運転免許証、携帯電話の名義、公共料金の名義など順次変更が必要になります。

A :帰化申請は何回でも申請することができます。しかし、不許可になった理由を追求しなければ、再申請しても同じ結果になります。

A :法務局は不許可になった理由について教えてくれません。申請資料を見返して自分自身で不許可理由を判断する必要があります。

湯田 一輝

この記事の監修者

行政書士法人タッチ 代表行政書士

湯田 一輝

2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野:外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

【セミナー実績】
国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数

【運営サイト】
行政書士法人タッチ https://touch.or.jp/
国際結婚&配偶者ビザサポートセンター https://visa-saitama.net/
帰化申請サポートセンター https://visa-saitama.net/kika/
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