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特別永住者の帰化申請における必要書類と取得方法

特別永住者の帰化申請における必要書類と取得方法サムネ

特別永住者の帰化とは

特別永住者(多くは在日韓国人)の帰化申請は、他の外国人の帰化申請と比べると必要書類の一部が緩和(卒業証明書、預金通帳のコピー、在勤及び給与明細書、スナップ写真、帰化の動機書など)されるなどするので一見すると簡単に帰化ができそうというイメージがあります。

また、特別永住者という観点から帰化の要件も緩和されるケースも多くあります。

 

例:日本で出生している(住居要件が5年から3年に緩和)

日本人と結婚している(住居要件が5年から3年に緩和、かつ婚姻から3年以上が経過していれば1年に緩和)

両親のどちらかが日本人(住居要件が5年から1年に緩和、生計要件も自身で生活ができていれば良い程度に緩和)

 

しかしながら、必要書類の一部や帰化の要件が緩和される一方で特別永住者の帰化申請では、在日韓国領事館から膨大な量の書類を取得する必要があります。そのため特別永住者の帰化申請は他の外国人の帰化申請に比べて手続きが難しくなる傾向があります。

 

帰化の要件自体は満たしているにもかかわらず、この韓国書類が取得できずに帰化を断念する特別永住者の方が多くいます。

このページでは、特別永住者が帰化申請するにあたり最も大変になる韓国書類を中心にご紹介します。

特別永住者とは

上記で特別永住者の帰化の概要を解説しましたが、そもそも特別永住者とはどういった制度なのでしょうか。自身が当てはまっているか気になる方もいると思いますので、下記に特別永住者の解説をいたします。

 

特別永住者とは、第二次大戦以前から日本に住み、昭和27年(1952)サンフランシスコ講和条約により日本国籍を離脱した後も日本に在留している台湾・朝鮮半島出身者とその子孫のことです。入国管理特例法によって永住資格が認められています。

 

上記を要約すると、第二次世界大戦前から日本に住んでいた台湾・朝鮮半島出身者とその子孫が特別永住者となります。現代では日系2世または日系3世(父母または祖父母が上記に該当する外国人)で、日本に在留している主に朝鮮・韓国籍の方を指します。

 

特別永住者かそうでないかを判断するには、特別永住者証を所持しているかになります。特別永住者でない場合は、特別永住者証ではなく在留カードを保持しています。特別永住者証の発行や更新手続きは、住所地を管轄する市区町村役場でおこないます。一方で、在留カードの発行や更新手続きは、入国管理局でおこないます。

 

特別永住者証を保持していれば、その時点で間違いなく特別永住者となります。

 

帰化のために必要な7要件

帰化のために必要な7要件を特別永住者の目線で解説をしていきます。

 

帰化に求められる一般的な条件は、以下のとおりです。 ※該当しない方は帰化が許可されません。 なお、以下の条件を満たしていても、必ず帰化が許可されるとは限りません。帰化の許可は法務大臣の裁量によるものであり、以下の条件は日本に帰化するために必要最低限の内容とされているからです。

 

 

1.住所要件 引き続き5年以上日本に住んでいることが必要です。なお、住んでいる期間は適法な在留資格を有していなければなりません。生まれてから帰化をするまで特別永住者として日本で生活をしていれば、この要件は問題ないかと思います。

なお、以下に該当する方は期間が緩和されます。

日本生まれの方:3年

日本人と結婚して婚姻から3年未満:3年

日本人と結婚して婚姻から3年以上:1年

日本人の子(養子を除きます。両親のどちらかが日本人の場合):期間の制限なし (※日本に住所があることは必要)

 

2.能力要件 18歳以上で本国の法制でも成人に達していることが必要です。 ただし、親と一緒に申請する場合、親が日本人である場合などは条件が緩和されます。

日本だけでなく本国の法律でも成人していることが必要です。韓国=19歳、台湾=18歳で成人ですので、韓国籍の特別永住者は、19歳に単独での帰化申請が可能になります。

 

3.素行要件 素行が善良であることが必要です。素行が善良であるかどうかは、納税状況、犯罪歴の有無・態様、社会への迷惑の有無等を総合的に考慮し、社会通念に照らして判断します。

 

4.生計要件 収入に困窮することなく、日本で生活していけることが必要です。生計を一にする親族単位で判断されますので、本人が無収入であっても、配偶者その他の親族の資産・技能で生活できれば支障ありません。 特別永住者の場合は公的な負担になることなく、独自で生計が成り立てば良い程度に条件が緩和されているとされています。

 

5.重国籍防止要件無国籍であるか、帰化によって本国の国籍を喪失することが必要です。本人の意思によって本国の国籍を喪失できない場合については、この条件を満たしていなくても帰化が許可される場合があります。

 

6.憲法遵守要件 日本政府を暴力で破壊することを企て又は主張する者、あるいはそうした団体の結成又は加入している者は帰化が許可されません。

 

7.日本語能力要件 日常生活に支障のない程度の日本語能力(会話・読み書き)を有している必要があります。なお、帰化手続において、必要な書類等の案内は日本語で行います。日本の教育課程で育っていれば、ここは特に問題ないかと思います。

特別永住者が取得する韓国書類について

特別永住者が帰化申請をするにあたり、法務局から韓国書類を取得するように必ず指示されますが、取得方法までは教えてくれません。(韓国領事館での手続きは法務局の管轄ではないため)そのため、帰化申請人が自ら韓国領事館を訪問し取得をしなければなりません。

それでは、帰化をするにはどのような書類を集める必要があるのでしょうか。

特別永住者の帰化申請で必要になる韓国書類は一律で同じです。下記におまとめしましたのでご参照ください。

(本人の)

・基本証明書

・家族関係証明書

・婚姻関係証明書

・入養関係証明書

・親養子入養関係証明書

・除籍謄本

 

(父の)

・家族関係証明書

・婚姻関係証明書(母の婚姻関係証明書が発行できない場合は必要)

 

(母の)

・家族関係証明書

・婚姻関係証明書

・除籍謄本(母が15歳頃から現在までのもの)

 

韓国書類の取得場所

韓国書類については日本の市役所等では発行できません。韓国書類の申請先は韓国大使館又は韓国領事館です。関東近辺にお住まいの方は、東京都の麻布十番にある韓国領事館での申請を推奨しています。

また、郵送での請求も可能ですが書類の返却に1カ月程度かかることに加えて書類に不備があれば発行されません。そのため、韓国領事館に訪問しての取得を推奨しています。韓国領事館に訪問した場合は、当日に韓国書類を取得できます。

請求における注意事項

ここまでは、韓国書類の請求方法をご案内いたしましたが、実際に請求する上で多くの方がつまずくポイントが登録基準地(本籍地)と母親の除籍謄本です。ここからはこの2点について解説していきます。

登録基準地(本籍地)について

韓国書類を請求する上で必ず必要になるのが登録基準地(本籍地)です。これが分からない場合は、韓国書類の発行は不可能です。韓国生まれの場合はそれほど苦労する方はいませんが、日本生まれの特別永住者(在日韓国人)の場合は登録基準地(本籍地)が分からない方が多いです。

また、そもそも韓国側に出生の届出をしていない場合、韓国書類は発行できません。登録基準地(本籍地)が分からない場合は、出入国在留管理庁に外国人登録原票を請求することで分かる場合があります。取得ができない場合も、ただ分からないから取れないではなく、外国人登録原票を取り寄せて登録基準地(本籍地)を確認して請求をしたが取れなかったなどの理由が必要になります。

母親の除籍謄本について

特別永住者の帰化申請で最大の難関が、母親の除籍謄本(母が15歳頃から現在までのもの)の収集です。請求に関しては1度ですべて集めることは難しいので、取得した除籍謄本から出生時まで1つ1つ遡っていく必要があります。韓国の除籍謄本は主に下記の事項により戸籍が変更になります。

①結婚

②離婚

③転籍

④戸主の相続

⑤分家

 

これらの変動が多いほど取得する除籍謄本は増えます。平均で3-4部程度取得する方が多いです。また、取得した韓国書類の作成日が古ければ古いほど内容の読み取りが難しくなります。韓国の除籍謄本については取得の難易度が高いため、専門家に依頼をしたほうがよいでしょう。

 

当事務所では、韓国領事館での書類収集を代行しています。そのため、お客様が韓国領事館に訪問することなく帰化申請を進めることができます。特別永住者の帰化申請では、韓国書類が揃えば他の書類の収集で苦労することはほとんどありません。

書類の翻訳について

韓国領事館取得した書類は日本語への翻訳が必要です。帰化申請での翻訳は友人や知人、親族等どなたがおこなっても構いません。ご自身での翻訳が難しい場合は翻訳会社を使用します。翻訳語はすべての翻訳ページに、①翻訳日②翻訳者住所③翻訳者指名を記載しなければなりません。翻訳後終わりましたら韓国の除籍謄本に抜けがないか確認してください。

抜けが1つでもある場合は該当戸籍を取得する必要があります。韓国戸籍をすべて集めるだけでも相当な時間がかかりますので、まずは韓国戸籍の収集から始めることをおすすめします。

 

帰化申請を検討されている方は、当事務所までご相談ください。

特別永住者の方で帰化申請を検討されている方は、一度当事務所までご相談ください。

当事務所では韓国領事館での書類の取得から法務局での手続きまで一貫してサポートしております。

 

帰化申請では申請の受理をもってして審査期間に入ります。審査期間は1年程度かかりますので、スムーズに書類を収集して申請を受理してもらえるかが非常に重要になってきます。

よくある質問の一例

A : 帰化申請は住所地を管轄する法務局でおこないます。例えば埼玉県にお住いの方は、一律で与野本町にある、さいたま地方法務局での申請となります。

A : 帰化申請は、法務局で申請が受理されてからおおよそ1年で許可が降りるケースが多いです。

A : 本人(15歳未満のときは、父母などの法定代理人)が自ら申請先に出向き、書面によって申請することが必要です。その際には、帰化に必要な条件を備えていることを証する書類を添付するとともに、帰化が許可された場合には、その方について戸籍を創設することになりますので、申請者の身分関係を証する書類も併せて提出する必要があります。

A : 帰化許可申請に必要となる主な書類は、次のとおりです。
1帰化許可申請書(申請者の写真が必要となります。)
2親族の概要を記載した書類
3帰化の動機書
4履歴書
5生計の概要を記載した書類
6事業の概要を記載した書類
7住民票の写し
8国籍を証明する書類
9親族関係を証明する書類
10納税を証明する書類
11収入を証明する書類
国籍を証する書面及び身分関係を証する書面については、原則として本国官憲が発給したものを提出する必要があります。 なお、申請者の国籍や身分関係、職業などによって必要な書類が異なりますので、申請に当たっては、法務局・地方法務局に御相談ください。

A : 1回の出国で90日以上、年間で150日以上の出国がある場合は、日本への定住性がないと判断される可能性があります。

A : 海外在住の場合は帰化できません。

A : 原則5年間です。ただし日本人の実子や日本人の配偶者の方などは要件が緩和されます。

A : 留学等で日本に来日されている方は、3年間の就労経験が必要です。

A : 日本の法律では18歳から帰化できます。しかし、帰化申請者の本国法でも成人になっていることが必要です。

A : 18歳未満でも日本人の実子である場合や親と一緒に申請するなど一定の要件を満たせば、18歳未満でも帰化することができます。

湯田 一輝

この記事の監修者

行政書士法人タッチ 代表行政書士

湯田 一輝

2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野:外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

【セミナー実績】
国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数

【運営サイト】
行政書士法人タッチ https://touch.or.jp/
国際結婚&配偶者ビザサポートセンター https://touch.or.jp/marriage/
帰化申請サポートセンター https://visa-saitama.net/kika/
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